手入れなどのメンテナンスガイド

お客様のAlEstのスーツやジャケット、スラックスを長く大切に着用していただくために、メンテナンスガイドをご用意しました。このガイドでは、すべてのジャケットやスラックスの寿命を延ばし、最良の状態を維持するための着用頻度や手入れ方法を詳細に解説しています。

製品の品質と耐久性は、適切なケアに大いに左右されます。着用頻度を適切に管理し、丁寧な手入れを行うことで、ジャケットとスラックスの美しさを長期間にわたり保つことが可能になります。このガイドは、ALESTの製品を末永くご愛用いただくための一助となることでしょう。

各項目については、可能な限り具体的な説明と共に視覚的な指示も提供しています。適切なブラッシング方法から、スーツの保存方法まで、ご自宅で手軽に行えるケア方法を詳しく説明しています。是非、このメンテナンスガイドをご活用ください。

着用頻度について

スーツやジャケットやスラックスは一日着用すると、生地や裏地に汗や皮脂、ホコリなどが染み込み、形状も乱れがちになります。そのため、一日着用したら最低でも二日は休ませることが推奨されます。

理由としては以下のような点が挙げられます:

  1. 繊維の回復: スーツやジャケット、スラックスの素材は、着用により伸縮し、一定のストレスを受けます。着用後に適切な休息を与えることで、繊維はその自然な形状に戻ろうとする力があります。これを「繊維の記憶」とも呼びます。少なくとも2日間の休息を与えることで、繊維は自身の原形に戻ろうとし、スーツの寿命を延ばすことができます。
  2. 汗や汚れの除去: 一日着用すると、汗や皮脂、ホコリがスーツやジャケット、スラックスに染み込みます。これらが生地を傷つける可能性があります。また、これらの汚れは虫食いの原因ともなります。したがって、着用後はブラッシング等で汚れを落とし、吸湿したスーツやジャケット、スラックスを乾燥させるため二日ほど休ませます。そうすることで清潔に保つことが重要です。
  3. 形状の保持: スーツやジャケット、スラックスは着用することで自然にシワがつきます。このシワもまた繊維に負担をかけ、長期的には形状を崩す可能性があります。適切なハンガーに掛けて休ませることで、スーツやジャケット、スラックスの形状を整え、自然にシワを伸ばすことができます。

これらの理由から、一日着用したら最低二日はスーツを休ませることを推奨しています。スーツやジャケット、スラックスを大切に扱うことで、その寿命を延ばし、いつでも最高のコンディションで着用することができます。

適切なハンガーの選択と掛け方

スーツやジャケット、スラックスをハンガーに掛ける際には、正しい方法が重要です。これを守ることで、スーツやジャケット、スラックスの形状を保つとともに、その寿命を延ばすことも可能です。

スーツやジャケット、スラックスを保管する際、適切なハンガーの選択は非常に重要です。ハンガー選びのポイントは以下の要素を考慮してください。

  • 適切なハンガー
    材質:ハンガーは素材によって異なる効果をもたらします。プラスチックや金属製のハンガーは耐久性に優れていますが、長期的な保存には木製のハンガーが最適です。木製のハンガーは湿度を吸収し、防虫効果もあるため、スーツの品質を保つのに適しています。
    形状①:ジャケット用:肩部分が広く厚みあり、かつ首部分が太いものを選びましょう。ジャケットの構造は肩や胸部分にパッドや芯地といった副資材を多用し、特に肩周りは精巧に作られています。そのため、ジャケットの形状を保つには適切なハンガーの選択が重要です。薄いタイプのハンガーはスーツの肩部分を点で支えるため型崩れを起こす可能性が高く、避けるべきです。
    形状②:スラックス用:クリース(中央の折り目)を保つために、スラックスを折り曲げずに吊るすことができるものを選ぶと良いでしょう。スラックスは歩行や座るといった日常の動作でシワができやすい部分、特に、パンツの膝や太ももの付け根周辺は注意が必要です。日常の動作で消えてしまいがちなクリース(中央の折り目)も、美しいパンツのスタイルを保つためには重要な要素です。専用のハンガーがない場合でも、スラックスのシワを防ぎ、クリースを保つためにはパンツをクリースに沿って折り、ハンガーに横向きに掛けることが重要です。
    サイズ:ハンガーのサイズはスーツに合わせることが重要です。小さすぎるハンガーはスーツを十分に支えきれず、また大きすぎるハンガーはスーツの肩部分を伸ばしすぎる可能性があります。ともに型崩れを起こしてしまう可能性があります。
    ※ジャケットとスラックスの両方を同時に掛けることが出来る便利なハンガーもありますが生地が重なり合うことで通気性の確保ができない可能性がありますのでジャケットとスラックスは別々の専用ハンガーを使用することを推奨します。
  • ハンガーへのかけ方
    ジャケットの掛け方:上襟の中央部分がハンガーの中央に合うようにし、首中央から肩先までの長さを左右均等にします。次に肩部分がハンガーにしっかりとフィットさせて、前後で重みを分散させます。このようにハンガーを正しく使用することで、ジャケットの形状を保ち、型崩れを防ぐことが可能となります。
    ベストもジャケットと同様にハンガーに掛けます。
    スラックスの掛け方:専用のハンガーで直接クリップで留めるタイプの場合、スラックスをクリースに沿って折り、裾の端をクリップで留めます。このように逆さに吊ることでスラックスの重みでクリースを保ち、不要なシワを伸ばすことが出来ます。ただし、この方法ではクリップがパンツに跡を付ける可能性があるので、注意が必要です。
    パンツ専用のハンガーがない場合でも、パンツのシワを防ぎ、クリースを保つためにはパンツをクリースに沿って折り、ハンガーに横向きに掛けることが重要です。

適切なハンガーを使用することで、スーツやジャケット、スラックスは適切な状態を保持し、長期間にわたってその品質を保つことができます。お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

適切な保存方法

スーツやジャケット、スラックスの保存には適切な方法があります。その主なポイントは、以下のように3つあります。

  1. 湿度と温度の管理:スーツやジャケット、スラックスの素材、特に天然素材は、湿度や温度が高すぎると劣化しやすいため、それらを適切に管理することが重要です。湿度が高すぎるとカビや虫食いの原因になることがあり、また温度が高すぎると繊維が縮んだり色あせや変色する可能性があります。したがって、湿度と温度が適切な場所での保管が望ましいです。ただし保管のため
  2. 直射日光の避けて暗所で保管:直射日光はスーツやジャケット、スラックスの色あせや生地の劣化を引き起こします。特に、色鮮やかな生地や淡色の生地は変色しやすいです。また、紫外線は繊維を弱めて生地の強度を低下させるため、スーツやジャケット、スラックスは直射日光が当たらない場所で保管することが重要です。さらに蛍光灯のような弱い光であっても長期間当たり続けると変色する可能性がありますので暗所で保管するころをオススメします。暗所がない場合は通気性のある不織布製のカバーをに入れてください。ビニールは通気性がなく湿気がこもりカビの原因になりますのでオススメしません。
  3. 風通しと乾燥を保つ:風通しの良い場所での保管は、スーツやジャケット、スラックスに付いた汗や臭いを飛ばし、清潔に保つことができます。また、乾燥した場所ではカビや虫食いのリスクを低減できます。したがって、風通しが良く、乾燥した場所での保管が理想的です。シーズンオフには定期的に風通しの良い場所に移動することで、良いコンディションを保つことができます。

これらのガイドラインに従うことで、スーツやジャケット、スラックスの品質を長期間にわたって維持することができます。

適切なブラッシング

スーツやジャケット、スラックスへのブラッシングは、その寿命を延ばすために重要なメンテナンス方法です。ここにその詳細な手順を記載します。

  1. 適切なハンガーにかける: まず、スーツやジャケット、スラックスを適切な形状のハンガーに掛けましょう。これにより、スーツやジャケット、スラックスが自然な形状を保つことができ、ブラッシングもしやすくなります。
  2. 生地の逆目からブラッシング: スーツやジャケット、スラックスへのブラッシングは初め生地の逆目から毛を起こすようにブラッシングします。これは、ホコリや汚れを繊維からかき出すためのステップです。スーツの下部から上部に向かって、毛並みに逆らってブラッシングします。強く押し付けず、ソフトにブラッシングを行うことが大切です。
  3. 生地の順目にブラッシング: 次に、生地の順目に沿ってブラッシングします。上部から下部へと、毛並みに沿って髪の毛にブラッシングをするくらいソフトにブラッシングを行います。これにより、繊維が整い、ホコリや汚れが払い落とされます。髪の毛をブラッシングするのと同様に、丁寧に行うことが重要です。

このようにブラッシングを行うことで、スーツやジャケット、スラックスは清潔を保ち、寿命を延ばすことが可能です。特に一日着用したらブラッシングを行い、最低でも2日は保存することを推奨します。これにより、スーツの生地がリフレッシュし、自然な形状を保つことができます。